東京都 Y様邸
現在東京にお住まいのY様は元々九州がご実家でありました。ご主人の孫子たちも東京で生まれ育ち将来的に九州に行く事が
無くなるので、ご実家の処分を考えていました。ただ、代々庭に興味をもっておられましたので、その庭石などを東京に持って
きてうまく石庭を作ってもらいたい。災害時にも生き残れる石庭を作って、変らぬルーツを残し、それに関東の武蔵野の風景を加えて新しい故郷を作りたいとの想いでのご依頼でした。
▼施工前〜解体中の様子

九州の庭面積は約100坪あり、そこに「15尺(4.5m)もある大灯籠」、
大振りの雪見灯籠、6尺(1.8m)の灯籠が3基や「豊臣秀吉の朝鮮出兵時、某大名が旗竿石として使用した石」、
北九州を代表する白御影の1本の長さが2間(3.6m)もある欄干が2本、
その他、土留めや飛石などに使われていた筑波石似の山石など、
14t車3台分を30坪弱の庭に収めるという難しい工事となりました。
▼九州にて積み込みの様子(山口県で活躍されている木戸作庭事務所時代の先輩に協力していただきました。)
大灯籠解体中。部品に分けて搬送します。
▼施工中の様子
私自身はちょっと石が多めかなと思いましたが、 ご主人にはそれぞれに想いがあり、何とか想いに応える ように努めました。
現在の建築が白壁のどちらかというと洋館であり、灯籠を使うとどうしても和の要素が強くなるため、建築とのバランスを いかに取るか、石の量が多い為、植栽でどう馴染ませていくかが重要なポイントでありました。

▼施工完了
実際に石などが運び込まれると、最初に提案した図面から二転三転し、ご主人からも良いアドバイスを頂き納まる所に納まったと思います。
最初は足の踏み場もなかった石が一つ一つ片付けられ、石庭になった庭に植栽をすることによって命が吹き込まれ、潤いのある清涼感漂う庭に仕上がったと思います。
← 白御影の欄干(1本の長さが約3.6m)
↓ 枕木とアンティーク耐火レンガの組み合わせの駐輪場
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▲某有名大名の旗竿石 |
▲15尺(4.5m)の大灯籠 |
完成後の庭は部屋から見るのとテラスから見るのとでは違う雰囲気に感じられますが、庭全体として見るとまとまったイメージに 仕上がっているので、遊び心の感じられる庭になっています。違った雰囲気の二つの庭を一つにまとめるのが難しかった部分です。
-水琴窟(すいきんくつ)-
水琴窟とは土の中のかめなどに水を張り、そこに水を落とし反響させる、
なんとも言えない幻想的な音を楽しむものです。
ご主人のお父様が、笠間のかめを集められており、3つ程九州から持ってきました。
うち2つはヒビが入っており、それは庭の景色として利用し、無傷の1つを水琴窟
として使いました。
水琴窟に張る水の量は大体かめの高さの1割が良い音を奏でるとされています。
このかめは70cmだったため、約7cm水を張りました。
かめの周りには瓦を砕いて敷き詰めました。
かめの上段部分は大振りな蹲踞(つくばい)
としてシンプルにまとめました。
水琴窟で奏でる音を竹箔で聞くとアジアなどで聞く民族楽器の様ななんとも言えない
透明度の高い音を奏でるようになりました。
…大成功です!!
